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2018/09/05

谷川俊太郎☆鴻上尚史「そんなとき隣に詩がいます」感想

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そんなとき隣に詩がいます
~鴻上尚史が選ぶ谷川俊太郎の詩~
大和書房
1,620円






私の尊敬する谷川俊太郎先生の詩を、鴻上尚史さんが選び、そしてエッセイまで書くという素晴らしい組み合わせの本

以前に谷川先生の「ひとり暮らし」というエッセイの感想を書きました
ひとり暮らし (新潮文庫) 谷川 俊太郎

それは非常に哲学的な高尚なエッセイで、咀嚼しながら完読するのに時間がかかった記憶

今回はそんな谷川先生の詩について、鴻上さんがエッセイを書いていて、それがまた読み応えがあり、楽しかったり、深くかんがえさせられたりするのだ

「詩を愛する人と、詩に愛された人との違い」については、非常に納得し、鴻上さんが紹介した先生が1953年に出版した「六十二のソネット」という詩集の41番目のソネットの冒頭を読んで胸がきゅんとなる

『青空を見上げるたびに
心の中できゅんきゅんと鳴く、言葉にできない感情
正確に言葉にするとこういう言葉になる』という鴻上さんの説明に、あぁまさにこういうことなのだなと一人うなずく

鴻上さんといえば、もうずっと昔(たぶん30年ほど前)に『恋愛王』というエッセイを出されていて、それを読んでとても感動した記憶がある
色々な恋愛が紹介されていたのだけれど、「日本とアフリカ」という超長距離恋愛の話が好きだった
そしてそのエッセイのあとがきに書かれていた一人の男性のことが、谷川先生のことだったという素敵な種明かしが今回この本でなされていた

30年たって、こんな話を偶然に読むことが出来るなんて。。。
なんだかホロっとして、涙が出た

紹介されていた谷川先生の詩はどれも好きだけれど、「朝のリレー」という詩が特に好き
ずいぶん前にCMで使われていた気がするけれど、自分で声に出して読んでみるとまた違ったように聞こえるのであった


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ひとり暮らし (新潮文庫) 谷川 俊太郎

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